私たちの子どもは、長女10歳、次女8歳、長男5歳の年齢から海外生活を始め、現在(2021年11月時点)で海外生活トータル年数は5年となります。この5年の間にアメリカ、イギリス、オランダの3カ国に住みましたが、本好きな私たちにとって、現地で日本語の本を手に入れる難しさを日々感じていました。夫婦ともに本が好きで、読み聞かせも長女が産まれた頃からほぼ毎日行っていました。本に囲まれて生活してきた子どもたちです。海外で日本語の本を手に入れるとなると、日本のアマゾンから1週間程度で届きますが、やはりコストはかかります。それでも、日本にいた頃のように図書館で1人20冊くらい借りたり、休日に本屋へ行き本を買っていたようには本を与えられません。
海外に住んでいる子どもたちは、毎日、オランダ語などの現地語や英語を使って生活しています。家に帰ると日本語で話す家庭も多いでしょう。しかし話し言葉と本の中で使われる読み言葉は違います。日本語を習得する上で、ヒアリング、リーディング、ライティング、スピーキング、この4つのシャワーを浴びることで習得スピードも習得レベルも随分違ってきますが、生活の中で使う言葉だけでは、日本語の習得に必要な言葉をどうしてもカバーできません。
アメリカ、ニュージャージー州に住んでいた時、パラマスという地域の現地図書館には、驚くことに日本語の本の取り扱いがあり、かなり利用させてもらい助かりました。イギリスには補習校での本の貸し出しがありましたが、コロナのため利用できず、やはり日本のアマゾンで度々購入していました。そのように、海外でもなんとか日本語の本を浴びせ続けましたが、コストを掛けて日本語の本を手に入れても、一回読んで終わり、なんてことも。幼少期は同じ本を繰り返し読むのですが、年齢が上がると興味の幅も広がり、新しい言葉をどんどん吸収する時期が来るからです。多感な時期ですし、親としてはその時期に多くの本に触れて欲しく、本を沢山与えてあげたい思いが強くなります。そうなると、やはり何度でも借りてその時に興味のある本に触れることができる図書館という存在は私たちが切望する形でした。
本図書館 Kotch Library (こっち・らいぶらり) の利用はとてもシンプルです。会員登録後、オンラインの本棚から本を選択していただき、デルフトにて受け取りをするだけです。(トラムの駅から約6分、電車の駅から約13分)