
【レンタル】二十世紀旗手 (新潮文庫)
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既成の小説概念を破壊する、大胆で奔放な前衛的試みに溢れた「前期太宰」の作品群。 自ら「排除と反抗」「野望と献身のロマンスの地獄」と呼んだ時期にふさわしい、驚愕の一冊。 麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々、小市民のモラルと既成の小説概念のいっさいを否定し破壊せんとした前期作品集。“二十世紀旗手"という選ばれた自負と「生れて、すみません」という廃残意識に引き裂かれた現代人の心情をモザイク的構成のうちに定着させた表題作、後年「人間失格」に集約される精神病院入院の体験を綴った『HUMAN LOST』ほか『虚構の春』『創生期』など7編を収録。 文体の途中からの変更、助詞の極端な省略、文章の断片による構成、演説体・オペラ風・日記風などの文体の駆使、等々、手練手管の限りを尽くす。 目次 狂言の神 虚構の春 雌に就いて 創生期 喝采 二十世紀旗手 HUMAN LOST 校訂 解説 奥野健男 本書「解説」より 読者は、この七つの作品を読んで、みんな普通の小説と勝手が違う、風変わりな小説ばかりなので戸惑われたのではないだろうか。(略) しかしぼくはこの時期の作品に魂が揺らめくような痛切な感銘をおぼえる。一緒に叫び出したいような、泣きたいような共感をおぼえる。気取り屋で自意識家の太宰治が、ここでは我を忘れて、激情に身を任せている。日頃あらわさない裸の心が、素顔が、怒りやかなしみが、率直に表現されている。ぼくたちはこの錯乱の時期の作品の中にこそ太宰治の魂の深い部分を、垣間見ることができるのだ。 ――奥野健男(文芸評論家) 太宰治(1909-1948) 青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
ページ数:288ページ
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カテゴリ: 本, 2025年3月入庫
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