
【レンタル】津軽通信 (新潮文庫)
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短篇小説には、独自の技法があるように思われる。 短かければ短編というものではない――。 10枚から20枚前後という枠組みの中に躍る、太宰の天才的な才能。 「掌篇小説」の面白さ、味があふれる、異色の一冊。 疎開先の津軽の生家で書き綴られた、新しい自由な時代を迎えた心の躍動が脈うつ珠玉編『津軽通信』。原稿用紙十枚前後の枠のなかで、創作技巧の限りをつくそうと試みた中期の作品群『短篇集』。戦時下の諷刺小説『黄村先生言行録』シリーズ。各時期の連作作品を中心に据えて、それに戦後期の『未帰還の友に』『チャンス』『女神』『犯人』『酒の追憶』を加えて編集した、異色の一冊。 著者の言葉 短篇小説には、独自の技法があるように思われる。短かければ短篇というものではない。(略) 近世では西鶴なんて大物も出て、明治では鷗外がうまかったし、大正では、直哉だの善蔵だの龍之介だの菊池寛だの、短篇小説の技法を知っている人も少くなかったが、昭和のはじめでは、井伏さんが抜群のように思われたくらいのもので、最近に到ってまるでもう駄目になった。皆ただ、枚数が短いというだけのものである。(『十五年前』、本書「解説」より) 【目次】 短篇集 ア、 秋 女人訓戒 座興に非ず デカダン抗議 一燈 失敗園 リイズ 黄村先生言行録 花吹雪 不審庵 津軽通信 庭 やんぬる哉 親という二字 嘘 雀 未帰還の友に チャンス 女神 犯人 酒の追憶 解説:奥野健男 太宰治(1909-1948) 青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
ページ数:304ページ
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カテゴリ: 本, 2025年3月入庫
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