
【レンタル】新樹の言葉 (新潮文庫)
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昭和14年、井伏鱒二夫妻の媒酌で結婚。 再生をはかる太宰、30歳から31歳の作品群。 麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々から立ち直ろうと、懸命の努力を重ねていた時期の作品集。 乳母の子供たちとの異郷での再会という、心温まる空想譚のなかに再生への祈りをこめた「新樹の言葉」。 “男爵"と呼ばれる無垢な男と、昔その家の女中で今は大女優となっている女性との恋愛譚「花燭」。 ほかに「懶惰の歌留多」「葉桜と魔笛」「火の鳥」「八十八夜」「老ハイデルベルヒ」など全15編。 目次 I can speak 懶惰の歌留多 葉桜と魔笛 秋風記 新樹の言葉 花燭 愛と美について 火の鳥 八十八夜 美少女 春の盗賊 俗天使 兄たち 老ハイデルベルヒ 誰も知らぬ 解説 奥野健男 本書「解説」より 昭和十四年井伏(鱒二)夫妻の媒酌で、(太宰は)甲府在の美知子夫人と結婚する。平凡な小市民として、生活人として生きようとする懸命な時期であった。健全な生活の中で、明るい健康的な作品をとめざすが、前期の疾風怒濤の時代の激情、そして地獄の時期のデカダンスの不安の余波は去らず、幾度も仕切り直しを繰返している作品が多い。それだけに作品の出来、不出来を超えた太宰治の真情や本音がいたるところに吐露されていて、太宰文学理解のキイワードとも言うべき文章が豊富に蔵されている。 ――奥野健男(文芸評論家) 太宰治(1909-1948) 青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺。
ページ数:416ページ
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カテゴリ: 本, 2025年3月入庫
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