村井 康彦
【販売】律令制の虚実 (講談社現代新書 424)
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極東文化の“吹溜り”としての日本は、大陸からたえずさまざまな文物を受容してきた。これら外来の文物が、日本的受容の中で新たな展開をとげるのが、奈良から平安時代である。本書は、国家体制形成のための律令制というタテマエが、古代日本の体質というホンネの中でどのような展開をしたか――このユニークな視点から古代日本の歴史を見なおす。大胆で新鮮な問題を提起する。現代人のための日本史シリーズ第2巻。 遷都と藤原不比等と律令制――官人の京中集住とは、それによって古代氏族が、本貫(本籍地)をはなれ、農業生産から遊避して都市居住者となること、そのために国家は彼らに自存しうるだけの棒禄を与えなければならないわけである。官人の棒禄が「代耕の禄」(耕す代わりに支給する棒禄)と呼ばれているところに、そのあたりの事情や意味が端的に示されていよう。こうして古代氏族を京師に集住させることは彼らの在地性を希薄にして都市民化させる一方、それを通じて律令官人化を促進する役割と効果をもっていたこと、しかしそれを実現するためには給与制度――租税制度の整備、つまりは律令体制全体の推進に関わってくる。これが、都城=首都の形成が律令制の具体的な実現形態であるといったことの意味である。藤原京の末期の造営から平城遷都=造都の推進者である藤原不比等が、同時に大宝律令制定の中心人物であったことは、その点まことに意味ぶかい。――本書より
ページ数:244ページ
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カテゴリ: 本, 大人向け, 2022年8月入庫