【レンタル】名人
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新聞に観戦記を連載した川端が、名人の死を経て二十年後に完成させた「鎮魂歌」。 悟達の本因坊秀哉名人に、勝負の鬼大竹七段が挑む……本因坊の引退碁は名人の病気のため再三中断、半年にわたって行われた。この対局を観戦した著者が、烏鷺の争いの緊迫した劇にうたれ、「一芸に執して、現実の多くを失った人の悲劇」を描く。 盤上の一手一手が、終局に向って収斂されてゆくように、ひたすら“死"への傾斜を辿る痩躯の名人の姿を、冷徹な筆で綴る珠玉の名作。 本文より 名人は熱海へ一月の十五日に来て、十八日に死んだ。まるで死にに来たかのようであった。私は十六日に名人を宿へたずねて将棋を二局指した。そして夕方、私が帰ると間もなく、名人は急に悪くなった。名人の好きな将棋も、私と指したのが最後であった。私は秀哉名人の最後の勝負碁(引退碁)の観戦記を書き、名人の最後の将棋の相手をし、名人の最後の顔(死顔)の写真をうつしたわけであった。 本書「解説」より 名人は地獄の人のようだ、と氏は言っている。勝負の世界は修羅道である。川端氏は名人の神韻縹渺(しんいんひょうびょう)とした風格も、その反面のあらゆる人間的弱点も、冷静な眼で見逃してはいない。反面に大竹七段の現世的・合理的、ある点ではその「芝居気」さえある生活態度も、またその碁風の「地底からのし上って来るような、息を殺しておいて叫び出すような、重苦しい印象」も、見落しはしない。 ――山本健吉(文芸評論家) 川端康成(1899-1972) 1899(明治32)年、大阪生れ。東京帝国大学国文学科卒業。一高時代の1918(大正7)年の秋に初めて伊豆へ旅行。以降約10年間にわたり、毎年伊豆湯ケ島に長期滞在する。菊池寛の了解を得て1921年、第六次「新思潮」を発刊。新感覚派作家として独自の文学を貫いた。1968(昭和43)年ノーベル文学賞受賞。1972年4月16日、逗子の仕事部屋で自死。著書に『伊豆の踊子』『雪国』『古都』『山の音』『眠れる美女』など多数。
ページ数:176ページ
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カテゴリ: 本, 大人向け, 小説, 2025年5月入庫
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